ビー玉

ついうっかり人生について思案してしまった。

そしてふと思いついた疑問。

子どもの頃僕は何が好きだったのだろう。

絵を描くことも好きだったかもしれない。

動物のテレビ番組を見るのも好きでした。

だけど、はっきりと「これだ!」と断言できるものが浮かんだのです。

僕は、ビー玉が大好きでした。

大量のビー玉をカーペットの上にばら撒き、その日の気分で主人公のビー玉を一つ選ぶ。

それはたいてい数少ない貴重な色のビー玉であり、黄色、緑、そしてワインレッドの誰かが選ばれる。

主人公を目前に配置し、無造作にばらまかれたものの一つに狙いを定め指でピンと弾く。

勢いよく弾かれたビー玉が目標にぶつかり、その目標もまた勢いよく新たな敵めがけて飛び出す。

その連鎖で弾かれた大量のビー玉を回収してまた主人公を弾きはじめる。

これを延々と繰り返す遊びを良くしていた。

 

先日久しぶりに実家へ帰った際、ビー玉たちに会いたくなった。

自室の学習デスク本棚奥に埃を被ってひっそりと息をひそめている缶箱。

ディズニーランドのお土産クッキーが入っていたであろう、不思議の国のアリスがプリントされた缶だ。

緊張して缶箱をそっと開ける。

彼らはそこにいた。

僕にとっても彼らにとっても、ほぼ30年ぶりほどの対面だ。

 

「あぁ懐かしい。」

 

と彼らを見つめる僕。

彼らは僕を見てどう感じただろうか。

 

僕は箱の中から彼らを数個取り出し、手のひらでコロコロ転がした。

たまらなく懐かしいこの感覚。

ふわりと握れば心地よい音を鳴らし弾ける。

やや強く握るとギチギチと音を立てて痺れる。

旧友と会えばいつも会話は同じで心地が良い。

それはビー玉もまるで同じだ。

手のひらの冷たい彼らは、たしかに僕のこころを満たし、ぬくもりを与えてくれた。

ステキな友達。

いつかまた。

 

 

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